【ジョジョラビット】感想
良かった。
ヒトラーのイマジナリーフレンドを持つナチ思想の少年が母親が匿ってたユダヤ人の少女をみつけて、交流していく内に変わっていく話。
明るい雰囲気をベースにしてるけど中々暗い話です。
感想とかみてると、「特に深く考えずにみると重くない明るい話だが……」みたいなの見たんだけど正気か!
深く考えずに見ても母親死んでんねんで!
このシーン、予想してなかったのでビックリしました。首つられてるシーン見ても「似てるけど別人だったオチかな?」とか最初は思ってたほど。
まさか綺麗な蝶のシーンから絞首刑された母親の死体を見つけるとは……。(親族は調べられなかったのかな)
登場人物の中では大尉が一番好きですね。
ドイツ軍が負けるという現実が見えていて、ユダヤ人の少女を庇い、最後にはアメリカ軍に占領した街でジョジョを助ける為にジョジョはユダヤ人だと嘘を付き自分は死ぬ。
大尉が死ぬとこはこの映画の中で一番好きなシーンです。
大尉のかっこよさも良いですし、映画の序盤ではユダヤ人は見た目ではドイツ人と見分けがつかないと言っていたことが、終盤ではジョジョが生き延びる要素(ドイツ人もユダヤ人とは見分けがつかない)になったとこも好きです。
あとメタ的な話だと今まで散々英語喋ってきたのにジョジョが「英語はわからない!」みたいなこと言ってるのもシリアスなシーンなのに笑ってしまいました。異世界転生ラノベ感。
ところでアメリカ軍は何語喋ってたんですかね。意識して聞いてなかったから覚えてないけど英語だったのかな。
最後の「ゴーホーム!」は聞き取れたんですけど、それは彼らの母国語なのかジョジョにわかるように喋った現地の言葉なのかわからなかったんですよね。
ラノベやアニメの異世界物の作品だと、必ず言葉が日本語なことにツッコんでくるアンチがいるんですが、こういう映画でもそういうアンチいたりするんですかね。私、気になります!
あと最後、アメリカ軍に負けて解放された街に出て、ダンスを踊るラスト好きです。
状況は過酷だけど、彼らの未来は明るそうだと実感できたので。
戦争や盲信することの愚かしさがよくわかるいい映画でした。
【メイドインアビス 深き魂の黎明】感想
面白かった!
初日に見て2週目の舞台挨拶(大阪)も行きました。
舞台挨拶は上映後でナナチの声優の方が大阪とナナチをかけたギャグをやってくださったんですが、本編との上昇負荷で笑ってる人は少なかった印象です(ギャグは面白かった)。
本編はいよいよTVシリーズで直接絡むことのなかったボンドルドとの対決。
ボンドルドを父親として育ったプルシュカが分解されボンドルドがアビスの呪いを避ける為のカートリッジにされ、それでも尚優しさを失わずにリコが先に進む為の白笛に自らを変える。
中々エグくてR15やむなし……と思ってたんですがどうやらR15の原因はボンドルドが爪でレクを刺すとこらしいんですよね。そこかよ!もっと酷いとこあっただろ!
でもやっぱりボンドルドが原因だった。
マルルクちゃんの日常がR15の原因じゃなくて良かった……。
ボンドルド、最低最悪なやつで死んだ方が良いと思いますが、嫌いだけど嫌いじゃないですね。
自分が死ぬことになっても(死ななかったけど) 自分の思いは曲げない、チープな悪役にならない。
自分の理想の為には自分の命すら軽く、既にオリジナルは下層に行くためのアイテムである笛になっている。
リコに他人を犠牲にせずに自分を犠牲にしなさいよと言われ、もう実験済みだとあっさり言ったところは良かったですね。
そして彼には負けが無い。
例え自分が倒され死んだとしても、自分を倒して先に進む存在は彼にとって敵ではなく憧れなのだから。
大迷惑なので死んでいて欲しい存在だが。
最後下層に進むリコ達に向かって、両の手を重ね合わせて祈るアンブラハンズ良かった。きっと彼らもどこまでも純粋な存在。
プルシュカも良かった。ツンケンした存在で、てっきりボンドルドのことで敵対するのかと思っていたんですけど、最後までリコ達のことを気にかける優しい子でした。
プルシュカは自分の名前の意味を【夜明けの花】と言っていました。そして別の場面では夜明けの花は昼には枯れると。
ひょっとして彼女は自分の運命をどこかでわかっていたのかな?
舞台挨拶ではプルシュカの口調はよく世話してくれてたグェイラからうったものだとつくし先生が言ってたって話を聞けました。グェイラは回想でなんか闇落ちしそうな気のいい兄チャンみたいなアンブラハンズですね。(リコ達の反撃で死亡済)
ツライ〜とかの言葉もひょっとしてグェイラからうつったのかな。
プルシュカ……。
続きの第六層もアニメ化が決まったみたいで今から楽しみです。
【パラサイト 半地下の家族】感想
話題になってたので先週見に行きました。
あまり好みでは無かったけど話題になるだけあって飽きることは無かったです。
好みじゃなかった部分は、客を笑わせようとして入れているのか顔をしかめさせようとしてるのかわからない凄い微妙なシーンがかなりあって僕はそこで笑えなかったからかな。でもそれはまぁ完璧に監督の狙い通りだとは伝わってくるので単に好みが合わなかっただけですね。
例えば序盤、半地下に住んでる人達が上の階の住人のWi-Fiをパスワードかけられて使えなくなったから必死に無料Wi-Fiが繋がる場所を探すってのは最初の笑いどころだとは思うんすけど、そこに妙なリアルさを感じて笑えはしなかったです。
自分を信頼してくれて家庭教師の仕事を紹介してくれた友達を全く罪悪感なく裏切って、速攻でその友達が好きだと知ってる生徒とできちゃうのは笑いどころだったんだろうか。
金持ち一家の元で働く人たちをハメてクビにさせて、自分達がその職に付くという流れもかなりテンポ良くコミカルに描かれているんですがハメられた人達が可哀想で笑える感じでは無かったですね。
(あ、北朝鮮のアナウンサーのモノマネは笑いました。やっぱ韓国でもネタにされてるんやねあれ)
ただこの話、コメディというわけでは無いので笑え無いからといって楽しめないわけでも無いです。
半地下の家族が金持ちの使用人達をハメて成り代わるコミカルパート。
半地下の家族にハメられただけの被害者だと思われた真面目そうな家政婦が、実は何年も家の所有者の金持ちも知らない地下に夫を匿っていたというホラー展開。
(センサーで点いていたと思ってた部屋の照明が、地下の住人が人が来たのに合わせてスイッチで点けてたのは普通に怖かった)
様々な箇所に散りばめられた貧困層と富裕層の差の描写。
半地下の家族の父親が、ふとした瞬間にハメた運転手のことや地下の住人の心配をすることで若干好感度が持ち直すうまいヘイト管理。
抜けているけど純粋で半地下の家族に騙されるただの被害者と思われた金持ち達がふとした瞬間みせる価値観の違い。
それぞれ上手く噛み合ってて評価されるのもわかる良い映画でした。
大雨で貧困層の住む地域で大きな被害がでた翌日に、雨が降ったお陰で今日は快晴だと雨に感謝する金持ちのシーンとか良いですね。
雨による災害が、金持ちと半地下の家族の匂いの違いが、刺された半地下の娘を無視して気絶しただけの金持ちの息子のことしか考えない金持ちの父親が、その全てが半地下の父親の精神を破壊していく展開。
オチも良い。
金持ちを殺して、誰も存在を知らない地下に逃げた父親の為に、将来金持ちになってその家を買い取ることを決意する息子。
買い取ったシーンを少し見せて、未来の描写かなと一瞬思わせといての、そのシーンはただの息子の描いた夢。
豪邸買う金作るとか「まぁ無理だろうな」ってなる監督もそう思いながら作ったんだと思うシーンなんですけど、そういった未来に思いを馳せながらの中々絶望的な話の締め方は嫌いじゃなかったです。
というわけで、好みの話ではなかったので「絶賛!」という感じでもないですけど、面白いことは面白かったです。
【この世界の(さらにいくつもの)片隅に】感想
面白かった。
前作に、前作からはおそらく時間の関係で泣く泣くカットしたであろう白木リンさんのエピソードを加えたバージョンです。
前作も映画館で見ていたんですが、結構別の映画になってましたね。
3時間あるけどあっという間。
夫がかつて結婚を考えた、過酷な世界でも強く生きる女性。そんなリンさんへのすずさんの複雑な感情。
リンさんのエピソードを加えることにより、前作にもあったすずさんの感情の重みが違ってくるのは面白いと思いました。
パンフは売り切れてて買えなかった。残念!
【フォードVSフェラーリ】感想
良かったです。長かったけど。
ル・マンの歴史は全然知らないので、結末知らずに見ました。
買収を断られてキレたフォードが復讐としてフェラーリが活躍しているル・マンで優勝してザマァしてやるって話なんですが、この映画をみてもフォードに対して好感度が上がったりフェラーリの好感度が下がるということは全く無かったです。
てかフェラーリの方が良い会社だなと思いました。
レースで勝つ事を一番に考える現場とイメージやら売上やらを優先して横槍をいれてくる上層部。この上層部がウザい。
ウザいんだけど、史実を元にした話なので特に爆死したりしないというバグがあります。
監督はタランティーノじゃないので。
この辺のストレスが解消されないのは不満だったかな?
だからフォードへの好感度は上がらないまま。
例えばレースで優勝を目前にして上層部からケン・マイルズへ出た命令は他のフォードの車を待って3台同時にゴールすること。
その方が話題になるから。
最終的にドライバーであるケン・マイルズは上層部の提案を受け入れて、他の車を待ち同時にゴールをする。
しかし実は他の車はケンよりも後ろの位置からスタートしていた為、同時にゴールした場合は後ろからスタートした車の方が順位が上になるという仕組みが隠されていたのだ。
盗まれた優勝。
映画の中では、ケンはすぐに次の開発の事を考えていたけど、実際は相当悔しかったはず。
これでフォードの好感度が上がるはずがない!
まぁそれはそれとして、この映画からは回転数に対する信仰みたいなものが感じられて面白かったです。
回転数を上げていく。
7000rpmの先。それを越えると、肉体も時間さえも置き去りにしていく。極限の世界で頭の中で声が響く「お前は何者だ?」
自分自身との対話。自己の俯瞰。
それは悟りの境地。
彼らの神は7000回転の先にきっといるのだ。
【スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け】感想《良くやったよJ.J エイブラムス……》
死者の口が開いた!!
パルパティーンは生きていた!!
まさか開始5秒で笑わされるとは……。
とりあえず前作EP8には個人的不満点があったんです。
一応EP9を見る前にEP8を復習して再認識した不満点としては
- ハイパースペース特攻(それできるならもっと早くやれや!)
- フォースでの宇宙遊泳(旦那はあっさり死んだのにしぶとすぎ)
- わざわざ分身で戦って逃げ切りながらの死
- 取ってつけたような新キャラヒロイン化
- 誰も作戦を理解してないことによって発生するレジスタンスの反乱及び大量死
- 裏切るまで特に親密度稼ぐイベントが無かったため裏切られてもなんの感慨もわかないおっさんの裏切り
などがありました。
フォースの宇宙遊泳とか多分公開当初も死んだと思ってたら生きてて劇場で普通に笑った覚えがあります。
まぁそんな不満が色々あったんですけど、EP9見たら全部どうでも良くなりましたね。
てかこれ本当に前作と繋がってる!?
前作でいいとこ無かったルークが実は裏で色々やってたことになったり前作ヒロインのローズの登場時間が圧倒的に減り、代わりになんか新しい美人キャラがフィンの相棒になったり、俺の知らないEP8があったとしか思えない……。
まぁ海に沈んだXウイング再利用とか熱かったけども(でもこれEP8の時からそれ使って駆けつけろやとか言われてたしな)
なんというかこう、個人的にはかなり楽しめたんだけど中々ハチャメチャな展開でしたね。
ハチャメチャでいて無難。
なんとか軟着陸させてやろうという監督の苦労が忍ばれます。
よくやったよ……。
レイアが死んでチューイが悲しむとこ(チューイ以外みんな死んでしまったし悲しいよね)とか、最後にレイがレイ・スカイウォーカーを名乗るとことかは普通に良かったです。
スカイウォーカーは血筋ではなく、その魂。
それはそれとしてスカイウォーカー一族は宇宙規模のトラブルメーカーなのでこれを機に落ちつくんじゃないかという思いもあります。全滅したしねスカイウォーカーの血筋!
EP8の奴隷の少年がフォースを使うシーンは好きだったのでそこが拾われなかったのは残念かな?
まぁ何にせよ、大作映画の監督を話数毎に変えるの特にメリットが思いつかないので辞めにしませんか?