映画やらアニメやら雑多感想ブログ

ネット環境があれば人は田舎でも暮らしていけるのか?

2023年某日。僕はそこそこの都会から田舎に引っ越すことになった。生活用品を買える店は個人商店が一つしかないような場所だ。日々の生活を記載しようと思う。(コロナ前は映画とかの感想書いてたブログ。今後もたまに書く)

【宇宙よりも遠い場所】 第8話 感想《選び取った青春》

第8話 吠えて、狂って、絶叫して

面白かった!
個人的には盛り上がりが今までの回より少ない気がしますけどそれは今までが凄かっただけの話。十分面白かったです。
何より最後の隊長のシーンで湧き上がる感情は、今までの7話では無い種類のものでした。
あと、提供でまるで歌ってるかの様なユヅキの口パクも面白かったですね。

船酔いと共に揺れ始める画面

順調に船旅が進むかと思いきや、突如襲い来る船酔い。確かに薬飲んでても船で生活してたらそのうち切れるわなと納得しました。
長期の船旅してないと出てこない発想ですね。
そして船酔いの演出が見事。
それまで普通に描かれててた船での生活が、船酔い発症してから暫くは画面が揺れるように演出されてるんですよね。
だから視聴者も船の揺れを疑似体験できる。
僕も見てて船酔いの感覚を思い出したりしました(ちょっと気持ち悪くなった)。
だからこそ、タマキ達のしんどさが視聴者にも伝わってくる。
これひょっとしたら三半規管がぶっ壊れてて船酔いとか一切しない人がみたら、また別の印象を受けるシーンなのかもしれないですね。
そういう面でも面白い試みだと思います。

青春コンパサーキマリと青春ポイント

「頑張るしかない。他に選択肢がない」というシラセに対して、「そうじゃないよ」とキマリは言う。ここにいるのは自分が選んだ結果だと。
4人の中で、1番自覚して道を選んできたのがキマリだとわかります。だからその結果から逃げない。
そして、自分自身が今「青春」の中にいることにも彼女は凄く自覚的です。
それは当然で、青春する為に一歩踏み出し、歌舞伎町を駆け巡って青春を感じ、そしてとうとう南極行きの船の中まで来たのです。
その全てがきっと彼女が目指していた青春の一部で、なおかつ彼女はそのことを知っているのです。
だから彼女は、船酔いで苦しんでるだけの現状でも、後からきっと楽しい思い出になると信じているのだと思います。しんどい時にでもクジラを見ようと思ったのも、彼女の青春センサーに何か引っかかったのかもしれません。
青春ポイントとか集めてそうな生き方です。
そしてどんな時も行動指針が変わらない彼女だからこそ、皆の道しるべになり得るのでしょう。

無謀と青春は紙一重

嵐の中で船の外に出だしたのは正直ヒヤヒヤしました。あんなの一歩間違えば波にさらわれてドボンですからね。
映像が綺麗なだけに余計怖かったです。
ただ雨のように降り注ぐ水の塊が実は波で、そのことに気がついて笑いあえるというシーンは良かったです。
自分達が何を乗り越えて南極にたどり着くのか、それを彼女達が自覚する為には必要な描写だった気がします。
そして外に出ることを提案するのがずっとネガティブだったユヅキというのも良いですね。
いや、それでも怖いけど。
実際の乗組員的には嵐の時は外に出るのは禁止されてたりするんですかね。それともあれぐらいはOKなのか。

ユヅキ母は大変なことをしでかすとこだった。

今回の話、つまるところ食堂のお姉さんが言ってたように4人で1馬力だってことなんだと思うんですよ。
性格も考え方も違うけど、足りないところを補い合う。4人だからこそ、つらい船酔いも乗り越えることができた。
これユヅキ1人だったら絶対乗り越えれてないと思うんですよね。点滴生活になってたのかドクターストップになってたのか。少なくとも南極で満足にレポートできてたと思えないんですよね。精神的なキズは下手すりゃ一生もんですよ。ユヅキ母、当初の計画は無謀すぎやしませんか?

名言の封印

第6話以降ヒナタが名言を言わなくなってます。シラセとぶつかり合った回ですね。ひょっとしたらあれは、シラセの戦闘モードの様にヒナタの防御機構の1つだったのかもしれません。誰より大人びていた彼女は、実は自らそう見えるように振舞っていたのか。
シラセの本音を聞き、涙を流した今はもうそんな外壁は必要無いのかもしれません。
(こんなこと言うと来週あたりに名言言い出す気がしてくる)

大人組がちゃんと大人してて良い

この船の乗組員は今のところ全員ちゃんとした大人でとても良いです。無駄なところでストレスを感じません。
キマリ達を大人として扱うとは言ってましたが、実際には最大限配慮してくれてるんだと思います。
船酔いで役に立たないキマリ達を邪険に扱うこともなく、乗り越えたキマリ達を祝福してくれる。エウレカセブンレントンにも見せてあげたい……。
そしてそれだけでなく格好良い。
「きましたね〜」
「私は嫌いじゃないですけど。戦ってる感じがして」

嵐に挑む中の僅かなシーンですが、大人たちの格好良さやプロとしての矜恃みたなものが伝わってきます(キマリ達には伝わりませんが)キマリ達との違いが明確に出てて良いですね。
それと食堂のお姉さんは給食のおばちゃんやってるみたいですけど、どんな流れで初代民間南極観測隊に参加したのか気になりますね。
なぜ彼女達は南極に魅せられたのか。帰った時に果たして仕事はあるのか。
【よりもいゼロ】を是非ともやってほしいですね。

キマリの語彙力が凄い

雲もなく、鳥の姿もなく、

視界全てが、一面の青。

どんなに目を凝らしても、見渡す限りの水平線。

確かに船の音は、聞こえている筈なのに、

その圧倒的な景色が、音を消していた。

そこにあるのは、宇宙を思わせる無音の世界。

キマリのする状況説明が詩的でとても良いです。こんなこと言える普通の女子高生はいない。やはり実はキマリが1番凄いやつなのでは。

それは誰が為の花か

Cパート。藤堂隊長がドームに入った花を持ってるシーンで終わります。
これはおそらく、シラセ母に手向ける話だと思います。ドームに入っているのは南極の気候に耐える為か。
今まであまり触れられてこなかったシラセ母の現状ですが、この花の1シーンだけで一気に「死」という現実が近づいてきたかの様な錯覚を感じました。このシーンから伝わる限りではきっと藤堂隊長は覚悟していることでしょう。ではシラセはどうか。
次回の展開が恐ろしいながらも気になります。(そんなこと言っておいて全く関係のない花だったらどうしよう)