【スパイダーマン:スパイダーバース】感想《メイおばさん最強》
原題は【SPIDER-MAN INTO THE SPIDER-VERSE】
最高だった!!
ストーリーは王道。
偶然スパイダーマンと同じ力を手に入れてしまった普通の少年マイルス(頭は良い)が成長し、真にスパイダーマンになるまでの話。
己の願いの為に次元の壁を破壊しようとするキングピン。
力を手に入れてしまったマイルスに指導を約束するも、キングピンの前に破れ死んでしまうピーターパーカー。
ピーターパーカーに願いを託され、スパイダーマンとしての道を歩むマイルス。
そして次元の壁が壊れたことによって現れた別世界のスパイダーマン達。
そのスパイダーマン達それぞれが最高だった!
スパイダーマン達
マイルスの世界にいたスパイダーマン。ピーターパーカー。
人々にスパイダーマンの存在を認知され、愛されている。依頼されたらクリスマスソングを歌ってしまうあたりからとことん善良な心を持っていたんだろうなということが感じられる。MJとは上手くいっていた模様。死後正体が人々に明かされる。
序盤に死んでしまう為出番は少ないが、彼の生き様がマイルスに与えた影響は計り知れないと思う。
マイルスを指導することになったピーター・B・パーカー。
腹の出た中年男性。ヒーロー活動により私生活に支障がでている。MJとは結婚していたが、離婚。MJは子供が欲しかったがピーター・B・パーカーは違った模様。これは恐らく、彼の遺伝子が子供に引き継がれるだろうことも無関係ではない筈。大いなる力には大いなる責任が伴う。では生まれながらに力を持ってしまう彼の子供には?
子供嫌いだと言っているが、マイルスの同情引き作戦を狙いを理解しながらも振り切れないあたり、根が善良なのは間違いない。
時に助け、時に諭し、時に慰め、時に行く手を阻み、最後には信頼して後を託す。彼とマイルスの師弟関係は最高だった。グウェンは何も教えていないと言っていたがそんなことはない筈。
元の世界に帰ったら幸せになって貰いたい。
スパイダー・グウェン。
クールで強い。有能なスパイダーウーマン。超かっこいい。
マイルス君の失態の所為ではあるが刈り上げが似合ってる。グウェンかなり好きだけど格好良いとしか言いようが無い。死んだ親友と同じ顔のピーターパーカーと出会っても動じないのは凄い。マイルス世界のピーターパーカーの死を既に聞いていたからかもしれないが。
マイルスの相対性理論ギャグに1人だけ笑ってあげてるのも良いよね。
ペニーパーカー。
未来の世界のスパイダーマン。パワードスーツを着て戦う。チョチョイのチョイでマイルスが壊したアイテムを修理する有能さ。
そして可愛い。なぜか日本のアニメを参考にデザインされている謎。可愛い。
彼女だけ日本のアニメと同じコマ数で動く為動きが違う。
ペニーパーカーは動きやら表情やらが本当に可愛いかったけど、出番が全体的には少なくて少し残念だった。最初マイルスに対してきつめに当たっていた彼女が、別れる時に「自分1人じゃないとわかってよかった」と言っていたところはジーンときた。しかし別次元の自分しか理解者がいないというのはなかなかに辛いところ。
彼女を見ると「ひょっとして日本のオタクの可愛いとアメリカのオタクのkawaiiは同じなのでは??」という気分にさせてくれる。
スパイダーマン・ノワール。
白黒。ハードボイルド。メンバーの中でもなかなかに過酷な世界のスパイダーマン。彼も活躍は少なかったが要所要所はしっかり締めてて格好良い。パンフに書いている声優ニコラスケイジのエピソードは最高なので是非見てくれ。
スパイダー・ハム。
え、なに?豚?
ギャグ時空の住人だからかかなり強い。
新たなスパイダーマン、マイルス・モラレス。
個性豊なスパイダーマン達。
でも彼らは主人公ではない。
主人公はマイルスだ。
こんな濃いメンバーの中で決して埋もれることの無い正真正銘の主人公。
ピーターパーカーに想いを託され、スパイダーマン達と関わり、困難の前に挫折し、大好きな叔父が死んで打ちのめされ、父の言葉で立ち上がる。
新たなスパイダーマン。
成長過程を見せられているので、市販のコスチュームから専用スーツに着替え、B・パーカーの「必要なのは勇気だけだ」という言葉を胸にビルから飛び降りて力を発動するシーンは本当に熱い。
彼のこれからの活躍も是非見てみたくなった。続編はよ。
その他も最高
そして脇を固める登場人物も素晴らしい。
そう、メイおばさん!
歴代最強じゃないか!?
主人公達を秘密基地に案内しヴィランもバットで殴り飛ばし、マイルスのガジェットも作る。
かつて夫を亡くし、遂には息子同然のピーターパーカーも亡くした過酷な運命の女性。それでも彼女は辛さを見せず、スパイダーマン達をサポートする。
有能で格好よすぎる!!
この世界のピーターどんな生活してたんだろ。案外メイおばさんはバットマンの有能執事、アルフレッド的な活躍をしてたのかも。
ラスボスであるキングピンも良い。
あのおっさんあれで生身なんすよ。
ただの鍛えただけの人間。それであの強さ。良い。やはりヒーロー物は悪役が映えないと。
あと新しいスパイダーマンが出てくるとしっかりそのスパイダーマンの背景も説明してくれるのが嬉しかった。すんなりどんなキャラクターなのか理解することができる。
自己紹介定型文が「ただ1人のスパイダーマンだ」だったのがラストに「スパイダーマンは1人じゃない」になるのも熱くなる。
スタンリーの登場も良かった。そのスーツは一度受け取ったら返品不可。ギャグ風でありながら重要なシーンだったと思う。
そんなこんなで後父親との関係とか望まず優秀な学校に行ってしまった苦悩とか色々色々良いところがあった!
素晴らしい作品だったと思う。
是非続編を見てみたい。
あとそれぞれの登場人物単独の映画も作ってくれ!アヴェンジャーズみたいに!
頼む!