【フォードVSフェラーリ】感想
良かったです。長かったけど。
ル・マンの歴史は全然知らないので、結末知らずに見ました。
買収を断られてキレたフォードが復讐としてフェラーリが活躍しているル・マンで優勝してザマァしてやるって話なんですが、この映画をみてもフォードに対して好感度が上がったりフェラーリの好感度が下がるということは全く無かったです。
てかフェラーリの方が良い会社だなと思いました。
レースで勝つ事を一番に考える現場とイメージやら売上やらを優先して横槍をいれてくる上層部。この上層部がウザい。
ウザいんだけど、史実を元にした話なので特に爆死したりしないというバグがあります。
監督はタランティーノじゃないので。
この辺のストレスが解消されないのは不満だったかな?
だからフォードへの好感度は上がらないまま。
例えばレースで優勝を目前にして上層部からケン・マイルズへ出た命令は他のフォードの車を待って3台同時にゴールすること。
その方が話題になるから。
最終的にドライバーであるケン・マイルズは上層部の提案を受け入れて、他の車を待ち同時にゴールをする。
しかし実は他の車はケンよりも後ろの位置からスタートしていた為、同時にゴールした場合は後ろからスタートした車の方が順位が上になるという仕組みが隠されていたのだ。
盗まれた優勝。
映画の中では、ケンはすぐに次の開発の事を考えていたけど、実際は相当悔しかったはず。
これでフォードの好感度が上がるはずがない!
まぁそれはそれとして、この映画からは回転数に対する信仰みたいなものが感じられて面白かったです。
回転数を上げていく。
7000rpmの先。それを越えると、肉体も時間さえも置き去りにしていく。極限の世界で頭の中で声が響く「お前は何者だ?」
自分自身との対話。自己の俯瞰。
それは悟りの境地。
彼らの神は7000回転の先にきっといるのだ。