映画やらアニメやら雑多感想ブログ

ネット環境があれば人は田舎でも暮らしていけるのか?

2023年某日。僕はそこそこの都会から田舎に引っ越すことになった。生活用品を買える店は個人商店が一つしかないような場所だ。日々の生活を記載しようと思う。(コロナ前は映画とかの感想書いてたブログ。今後もたまに書く)

【パラサイト 半地下の家族】感想

話題になってたので先週見に行きました。

あまり好みでは無かったけど話題になるだけあって飽きることは無かったです。

好みじゃなかった部分は、客を笑わせようとして入れているのか顔をしかめさせようとしてるのかわからない凄い微妙なシーンがかなりあって僕はそこで笑えなかったからかな。でもそれはまぁ完璧に監督の狙い通りだとは伝わってくるので単に好みが合わなかっただけですね。

例えば序盤、半地下に住んでる人達が上の階の住人のWi-Fiをパスワードかけられて使えなくなったから必死に無料Wi-Fiが繋がる場所を探すってのは最初の笑いどころだとは思うんすけど、そこに妙なリアルさを感じて笑えはしなかったです。

自分を信頼してくれて家庭教師の仕事を紹介してくれた友達を全く罪悪感なく裏切って、速攻でその友達が好きだと知ってる生徒とできちゃうのは笑いどころだったんだろうか。

金持ち一家の元で働く人たちをハメてクビにさせて、自分達がその職に付くという流れもかなりテンポ良くコミカルに描かれているんですがハメられた人達が可哀想で笑える感じでは無かったですね。

(あ、北朝鮮のアナウンサーのモノマネは笑いました。やっぱ韓国でもネタにされてるんやねあれ)

ただこの話、コメディというわけでは無いので笑え無いからといって楽しめないわけでも無いです。

 

半地下の家族が金持ちの使用人達をハメて成り代わるコミカルパート。

半地下の家族にハメられただけの被害者だと思われた真面目そうな家政婦が、実は何年も家の所有者の金持ちも知らない地下に夫を匿っていたというホラー展開。

(センサーで点いていたと思ってた部屋の照明が、地下の住人が人が来たのに合わせてスイッチで点けてたのは普通に怖かった)

様々な箇所に散りばめられた貧困層と富裕層の差の描写。

半地下の家族の父親が、ふとした瞬間にハメた運転手のことや地下の住人の心配をすることで若干好感度が持ち直すうまいヘイト管理。

抜けているけど純粋で半地下の家族に騙されるただの被害者と思われた金持ち達がふとした瞬間みせる価値観の違い。

それぞれ上手く噛み合ってて評価されるのもわかる良い映画でした。

大雨で貧困層の住む地域で大きな被害がでた翌日に、雨が降ったお陰で今日は快晴だと雨に感謝する金持ちのシーンとか良いですね。

雨による災害が、金持ちと半地下の家族の匂いの違いが、刺された半地下の娘を無視して気絶しただけの金持ちの息子のことしか考えない金持ちの父親が、その全てが半地下の父親の精神を破壊していく展開。

オチも良い。

金持ちを殺して、誰も存在を知らない地下に逃げた父親の為に、将来金持ちになってその家を買い取ることを決意する息子。

買い取ったシーンを少し見せて、未来の描写かなと一瞬思わせといての、そのシーンはただの息子の描いた夢。

豪邸買う金作るとか「まぁ無理だろうな」ってなる監督もそう思いながら作ったんだと思うシーンなんですけど、そういった未来に思いを馳せながらの中々絶望的な話の締め方は嫌いじゃなかったです。

というわけで、好みの話ではなかったので「絶賛!」という感じでもないですけど、面白いことは面白かったです。

韓国の映画は富裕層と貧困層の差を描くシーンが多い気がするんですけど、多分それだけ格差社会なんでしょうね。