【白爪草】感想
名前が似てて勝手に親近感を感じている電脳少女シロさん主演の映画。
正直そんなに期待せずに見に行ったのですが――めっちゃ面白かった。
ジャンルはサスペンス系。ホラーサスペンス系の可能性も?
映像として出てくるのはシロさんが演じる蒼と紅の双子の姉妹のみ。
後は声だけの出演で(この辺詳しくは無いのですが)シロさんと同じ事務所?の方々が出ています。
蒼の勤める花屋の店主、電話で蒼をカウンセリングするカウンセラー桔梗先生、間違い電話、花屋の後輩くらいかな?。
間違い電話は何か意味あるのかと思ったら本当にただの間違い電話で本筋に関係ないらしいのはちょっと笑った。
話的には親殺しでムショ入りして6年の刑期を終えて出所してきた姉の紅が妹の蒼を訪ねてきた。蒼は6年前の真実を聞こうとするが紅の目的は別にあり……みたいな感じです。
実は親を殺してたのは蒼なのか?いややっぱり紅が……紅酷い奴やな……え、酷いのは蒼だったの??
みたいな感じで話が二転三転してジェットコースターみたいで面白いです。
この話で重要なのがカウンセラー桔梗先生でこいつが1番悪いんやんけ!って最終的にはなります。
というか「蒼と紅どっちに罪があるのか」最後までそれぞれの立場が転々として読めないシナリオの中でこの人は最初から胡散臭いので「まぁそうだろうな!」感はあります。
いや想像してたよりヤバい人でしたけど。
この話のオチ凄い好きなんですよね。
最終的に妹(桔梗先生の超技術で親を殺したのが自分だと思ってる)は入れ代わりを承諾。
紅として暫く生きて自殺することを決意した彼女はすっきりとした表情で。
紅から見たら順風満帆に見えた彼女は別れる前に、「絶望しないでね」そっちの人生も「待ってるのは結局地獄だよ」と言葉を残す。(ここ凄い好き。でも台詞合ってる自信はない)
この地獄が何か僕には全くわからなかったんですよね。ひょっとして実は店長に嫌がらせされてるとかそういうこと位しかイメージできなかった。
それが何かわかるのは3ヶ月後。
妹も自殺し(遺品の状態から焼死か?)入れ替わりには何の問題もなく。
こんな誰にも入れ替わりが気が付かれない人生のことを妹は地獄と言っていたのかなと紅が思い始めた時、最後の引継ぎだよとメモが貼られた妹の日記を発見する。
(ここ良くわからなかったけど届けられた遺品に日記があったのかな)
そこで明かされる事実。
前半は姉のことを思い、共に働く未来を夢見る優しい蒼。
ところがある日、桔梗先生が来て。
偽装される記憶。両親を殺し、自分の身代わりに姉を6年刑務所でいかせたという思い込み。
壊れていく精神。
姉に贖うにはどうすればよいのか?
この結論が誰か2人人を殺すこと。
これは恐らく、姉に押し付けた罪と同じ2人殺して捕まる気だったということなんだと思うんですよね。
こんなのは本当に親を殺して姉に罪を押し付けてたとしても罪滅ぼしにはならないんですけど、そんなことにも気が付かない。
まぁ記憶の植え付けとか本来の記憶と整合性が取れずにバグりそうですしね。
蒼本来の優しい性格も押し付けられた記憶に耐えられなかった要因かな。
そこでまた新たな問題が発生する。
捕まらなかったのだ。
だから更に殺した。
でも捕まらない。証拠を残しても捕まらない。
6年前と同じ様に。
ひょっとして自分はそういう存在なのではないか?
誰を殺しても捕まらない。
罪は私が犯す。
では償うのは?
それはきっと6年前と同じ様に。
ここゾッとして凄い好きですね。入れ替わりに成功した紅は、その人生に潜む地獄に気がつくんですよ。蒼は実は大量殺人鬼で、証拠はそこらに残っている。その内警察は犯人まで辿り着く。そしたら捕まるのは紅なのだ。
当の犯人は荷物をおろしたかの様にスッキリしてとっくに自殺している。
このどうしようも無さ。
そしてエンドロール(この歌も良かった。ホラーに合う)。
(後輩が出来てるのである程度期間経過後)
そこには蒼(紅)を訪ねてきた人が。
この訪ねて来た人が警察なのかどうか言及はされてないから色々展開を空想できるのも良いですね。
辞めるつもりだったっぽい花屋にまだいたのは証拠だらけの店から離れることができなかったとかかな?
爽やかな話では無いんですが後味は悪くなかったです。
ヘイトコントロールが上手いからかな?最後に酷い目に合う紅が普通に悪いやつですしね。
いやぁ面白かった。
脚本がうまいし、シロさんの演技も凄いうまい。
双子の演じ分けも場面による声の演じ分けもプロ。
あと怖い役にめっちゃ合う。
見に行って良かったです。
パンフが売り切れてたのは残念でした。
再販しねぇかな。
因みに双子はDNAは同じだけど指紋は違うので入れ替わり自体は証明できそう。それでも殺したのは紅ってことになる気はするけど。