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ネット環境があれば人は田舎でも暮らしていけるのか?

2023年某日。僕はそこそこの都会から田舎に引っ越すことになった。生活用品を買える店は個人商店が一つしかないような場所だ。日々の生活を記載しようと思う。(コロナ前は映画とかの感想書いてたブログ。今後もたまに書く)

【宇宙よりも遠い場所】第11話 感想《嘘と決別と友情と啖呵の果てにあるもの》

前話のCパートで示唆されてた通り今回は日向の過去回。

凄い良かった。

まぁあと2話で終わる気がしない問題は継続してますが。

第11話 ドラム缶でぶっ飛ばせ!

思ったより悲惨だった日向の過去

同級生に裏切られ、嘘を先輩に言われ、結局悪者になって高校を中退するまで追い込まれた日向。

正直、別に誰も悪くないけど空気悪くなって辞めたくらいの理由だと思ってたから、他の陸上部が明確に嫌な奴らだったことに驚いた。

嘘に追い込まれた日向。

キマリと出会った当初キマリと報瀬の関係を「嘘をついていない感じ」と言っていたことも、その事を知ると一層意味が重くなる。

シンガポールで言ってた気を使われるのが苦手という言葉も嘘ではないだろうけど、根本は気を使われて本当の気持ちが見えなくなることが怖いということか。

「多分まだ怖いんだ」

その傷は深い。

南極まで共に旅をしてきた報瀬に対しても怖さを感じてしまう程に。

 

隠れて雪に蹴りを入れる日向みたいな感じのことは自分も似たようなことやったことあるので凄い共感してしまった。

直接本人には言えない。でもどうしても心の底から込み上げてくる怒り、モヤモヤ。そのやり場のない感情が許容量を超えて表に出てしまうのだ。

日本一啖呵の似合う女子高生 報瀬

かつて日向を傷つけ、性懲りもなく連絡をとってきた日向の元同級生に言い放った報瀬の啖呵が激熱い!


『あなたたちはそのままモヤモヤした気持ちを引きずって生きていきなよ!人を傷つけて苦しめたんだよ!そのくらい抱えていきなよ!それが人を傷つけた代償だよ!私の友達を傷つけた代償だよ!今更何よーーーーざけんなよっ』

これは報瀬じゃないと言えない言葉。

友の為に啖呵を切る報先生に痺れる。敵がいる時は最強に頼りになる女だぜ。

前もって日向に気持ちを聞いているのもポイントが高い。

キマリや結月のアシストも、これは報瀬だけの思いではない事が伝わってきてとてもよかった。

日向と報瀬は似ているところもあるけど、根本では違っている気がする。

報瀬は敵を自分から遠ざけることを選ぶ

日向は敵から自分が遠ざかることを選ぶ。

そして日向は明確に拒絶が出来ない。

元同級生の連絡先を未だに消すことができない(思い切り良く消した結月との対比か)

きっとどちらが正しい訳でも無いのだろうけれど、自身の性質故に痛みを溜め込み続けた日向には報瀬の言葉は救いだったのだろう。

一途で頑固で正直な報瀬には、日向の誤魔化しは通じない。そしてそんな友達こそが、自分を犠牲にしがちな日向を救うのだ。

 

「ざまぁ」にして「ざまぁ」に非ず

今回の報瀬の啖呵には非常にすっきりしたが、同時に細か考え抜かれたであろう演出の上手さも光る。報瀬の決別宣言から先は元同級生を映さないという判断。思えば、報瀬が「ざまぁみろ!」してもギャフン(古い)と言わされた同級生の姿は描かれていない。

これは本来なら負の要素を持つ言葉を使いながらも、すっきりとした爽やかな余韻を残す要素の1つだと思う。

報瀬の言葉に打ちのめされる元同級生達をみても、すっきりはしたかもしれないが、ここまで爽やかな余韻にはならなかっただろう。

それに、言いたいことはいう必要があったけれど、相手が反省してもしなくてもそれは報瀬達には関係ないことなのだ。もう決別したのだから。報瀬達の青春に、彼女達が入る余地など無いのだ。

 

変わりゆく精神と関係性

南極の大地で、少女達は変化し続ける。

 

かつて母親の痕跡を探す為に南極を目指していた報瀬

どれだけ悪意に晒されても困難に遭遇しても曲がることの無かった想い。

しかし、今かつてない程に目的に近づいているにも関わらず、報瀬は母親のことよりも日向が心配で仕方がない。

友の為に啖呵を切る報瀬の姿に、藤堂隊長は何を見たのだろうか。

 

友達を求めていた結月は友達を得てはっちゃていく。

友情イベントの気配を感じてマッハでテンション上がる結月が凄い可愛い。彼女が追い求めていた友情が確かにあったのだ。

 

日向もきっと、報瀬から他者と決別する術を学び変わっていくだろう。過去のトラウマから形成し続けてきた心の壁もこれからは薄くなっていくに違いない。

 

キマリは……よくわからない!

彼女はかつては一歩前に踏み出すことができない少女ではあったけれど、最初に一歩踏み出した瞬間から既に無敵モードになってる感じがする。

めんどくさいことを愛し、友達を愛し、自らの選択に責任を持ち、今を全力で生きる。そして偶に素晴らしい詩を。

最高に主人公してる。

どうしても成長型主人公報瀬の方が目立ってしまうが。

南極での旅は彼女に何を与えるのだろうか。

 

ドラム缶でぶっ飛ばせ!

ドラム缶って除夜の鐘つくやつのことだったのか!

このドラム缶は実際南極にあるらしい。

昭和基地の年末年始 白夜の南極に除夜の鐘響く - YouTube

海外の人が11話Cパートの感想で低くて怖い音が鳴ってて来週が不穏とか言ってるのみて、心の中で「それ除夜の鐘の音だよ!!」

と突っ込んでしまった。

 

これからどう展開するのか

普通に考えたら天体観測設備の設営に報瀬達が同行して何かトラブルが発生するか見つけるかだと思うのだが、危険だと解ってるところに同行を許す大人達には見えない。しかし報瀬が結果の報告だけ聞くような存在には思えないし……。

あと2話だというのにどう展開するのか全く予想がつかない。

来週の火曜日が待ち遠しい。

 

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