【アベンジャーズ/エンドゲーム】感想《これぞ総決算!》
面白かったとか面白くなかったとかなんかそんなんじゃないなこれ!
いや、テンション上がったし手に汗握ったし終わった時の満足感と喪失感は凄いしとんでもない映画ではあったんですが単純に面白かったって感じでもないんですよね。
十年以上共に歩んできたヒーロー達のその結末。
とても感慨深いものがあったのは確かです。
- 全作品見ろという強気の姿勢
- 予想できない展開
- 御都合主義でありながら御都合主義ではない
- トニー・スタークの最後
- トニー・スタークはベンおじさんだったのか
- キャプテンアメリカの最後とタイムパラドックス
- デブのままだったソー
- どうなるGOTG3
- 満足感と虚無感と
全作品見ろという強気の姿勢
自分自身はアイアンマンの頃から映画館に通って見ていたのですが、これからエンドゲーム見ようと思ってる人は主要作品押さえとけば良いだろうと軽く考えてたんですよね。
全然そんなこと無かった!
11年分の作品全て見ていること前提の強気の姿勢!
話の至る所に「当然見てるよな!?」とばかりに説明なしで現れる過去作の情報。
今まで作ってきたものに自信が無いと出来ない手法に痺れました。
ただ、これ過去作見てること前提の作品なので単体作品としてはそこまで面白いわけでもないんですよね。
過去の積み重ね。僕たち自信が彼らを見ながら積み重ねてきた時間の積み重ね。
その時間が、今まで培ってきた感情が、蘇り、溢れ、暴走する。
観客の人生すらも作品の要素に組み込んだ凄まじい映画だと思いました。
ただ、「アカデミー賞で賞取れるかな?」みたいな話題ツイッターで見て思ったんですが、賞的なことを考えるとどうなんでしょうね。
この作品だけで評価できないものを評価するのは難しい気もします。
ただでさえアメコミ原作映画の受賞は難しいみたいですし。
予想できない展開
この作品ほど展開が予想できなかった作品も珍しい気がします。
特に序盤。
CMで宇宙空間で漂流してたトニー・スタークがまさかの速攻救助。
紫ゴリラへの殺意に燃えて映画に挑んだら序盤に死んでそれから5年後展開。
全然予想してなかった。
この時点で製作陣の掌の上ですね。
因みにサノスの首がソーに切り落とされた時に外国人の観客達は爆笑してました。
シリアスシーンでは無いのか。これが国による感性の違い…。
御都合主義でありながら御都合主義ではない
過去へのタイムスリップとかは結構御都合主義的展開ではあるんですけど、それで救える者と救えない者はしっかりわけてるんですよね。
最初タイムスリップの話になった時は全てを救える展開になるかと思いました。
過去を改変して未来を変えるんだと。
だからそれは子供ができたトニー・スタークにとって辛い展開になるんじゃ無いかと予想しました。
過去改変したら人類が消えてから産まれた娘との思い出が全て消えることになるから。
でも彼らにとってのタイムスリップはそんなものでは無かった。
タイムスリップというよりは並行世界への移動に近い。
過去からインフィニティストーンを集めればインフィニティストーンの力で消された者は復活できるが、それ以上のことは出来ない。
サノスに直接殺されたガモーラ、ヴィジョン、ロキは蘇らないし、ソウルストーンを得る為に死んだナターシャは復活しない。
死者は蘇らない。
御都合主義の基準に信念みたいなものを感じました。
トニー・スタークの最後
僕がMCUで一番好きなのはアイアンマンなので、彼の死はとても悲しかった。
御都合主義でも良いから、息を吹き返して欲しかった。LOGANを見た時の感情が蘇りました。
でもこれでようやく彼の贖罪の旅が終わるのか。
ペッパーの言うように、ようやく安心して眠れるのだ。
トニー・スタークはベンおじさんだったのか
ずっと不思議だったんですよね。
スパイダーマンという作品に当然登場するであろう重要人物、ベンおじさんがこのMCU世界にはまだでてきて無いのが。
他の作品では、ピーター・パーカーのミスによって育ての親であるベン叔父さんが死んでしまい、ピーター・パーカーは「大いなる力には大いなる責任が伴う」ことを学ぶ。
これは別のバースのスパイダーマンも同じで、身内や親しい人の死がヒーローとしてのオリジンになっている。
悲しき宿命。
でもこの世界にはベン叔父さんの気配は無い。
ずっとなんでなんだろうと思っていたんですが、ひょっとしてこの世界のピーター・パーカーにとってのベン叔父さんはトニー・スタークだったのかなと。
世界と家族の為に、命をかけたトニー・スタークの姿がオリジンになるのかもしれない。
もしそうなら、次回作のファーフロムホームは予告映像から想像できる内容とは違ってシリアスになるのかも。
キャプテンアメリカの最後とタイムパラドックス
過去にインフィニティストーンを返却し、老化した状態で返ってきたスティーブ。
ここは結構謎ではあるんですよね。
過去に戻った世界で過ごしても恐らくその世界での時間が過ぎるだけで元の世界につながるわけでは無い筈。(サノスが消えた世界などは最早別物の世界になっている筈)
なので多分過去の並行世界で時を過ごして良い感じのところで戻ってきたんだと思うんですけど、どうやって戻ったんだろ(ベンチに現れる意味がわからない)
あとペギーと良い感じになってるところ、多分その世界のスティーブが氷の中にいると思うので同一人物NTRだなと思わないでも無かった。(オブリビオンを思い出した)
老人スティーブが自分の人生を楽しんだと言うシーン、字幕にはでていないし僕には聞き取れ無かったけど「トニーが言ったように自分の人生を楽しもうと思った」って言ってるらしんですよね。
結構重要なセリフ省いてるなと驚きました。
トニーが死んで、かつて(ウルトロンの時だと思います)トニーが言った言葉を実践したんですよ。
自分でふと思い立って行動したのと、色々ぶつかりあったけど、それでもどこか特別な絆のあったトニースタークの言葉を最期の最後に実践したのとでは大きな違いではないかと思います。
デブのままだったソー
絶対復活して痩せると思ってたのに最後までデブで笑いました。予想外過ぎる。
彼は初期から大きく変化した人物の1人ですね。
傲慢だった王子が、ただのソーとして旅にでる。
彼の変化も感慨深く感じました。
どうなるGOTG3
いやほんとどうなるんでしょうねこれ。スターロードが可哀想過ぎる。せっかく良い感じになったガモーラは死んで新メンバーでの旅ですよ。どんな空気の作品になるのか全く予想できない。
満足感と虚無感と
というわけで非常にカロリーの高い映画でした。
遂に終わったという満足感と遂に終わってしまったという虚無感に支配されています。
トニースタークは世界を救って死に、キャプテンアメリカは自分の人生を生きて引退、ソーは王の座を降り新たな仲間たちと宇宙へ旅にでる。
一つの終わり。
それでもまた、何かの機会に彼ら3人が揃い戦う物語を見たいと思ってしまう。
いつかそんな日が来る事を夢見て、とりあえずスパイダーマン続編を楽しみに待ちます。